▲「Magandang hapon po」とはフィリピン語で「こんにちは」を意味します。
フィリピンの主要言語は、タガログ語、セブアノ語(ビサヤ語)、イロカノ語、ヒリガイノン語(イロンゴ語)、ビコール語、ワライ語、カパンパガン語、パンガシナン語。公用語として全国規模で使用され、教育されている言語は、フィリピン語と英語です。
外国に行って感嘆させられるのは、現地の人たちが公共の場で話す言語、家族間で話す言語、友達同士で話す言語など、その場の状況や相手によって複数の言語を上手に使い分けている光景です。
例えば、フィリピンなら外国人に対しては英語、フィリピン人同士ならフィリピン語や出身地の言語を使い分けるといった具合です。
本当に器用ですよね!
今回は、フィリピンで使われている言語、言葉、公用語とフィリピン旅行で役に立つフィリピン語の簡単な挨拶について書いてみたいと思います!
Contents
フィリピンの言語
▲フィリピンの地図
フィリピンの言語と公用語
7000以上の島々から国家が形成されているフィリピンでは、各地方や部族、あるいは島ごとにいろいろな言葉が使われています。何でもその言語数は、フィリピン全土で80前後もあるのだとか。それにしてもすごい数ですよね!
そのうち主要言語と言われるのは、タガログ語、セブアノ語(ビサヤ語)、イロカノ語、ヒリガイノン語(イロンゴ語)、ビコール語、ワライ語、カパンパガン語、パンガシナン語の8つ。
そして、フィリピンの公用語として全国規模で使用され、教育されている言語は
- フィリピン語(Filipino language)
- 英語
です。
2つある公用語が、フィリピンの主要言語の中に入っていないのはちょっと違和感を覚えますよね。
じつのところフィリピン語の実体は、主要言語に数えられているタガログ語とほぼ同じ。一方の英語に関しては、フィリピンの近代史、すなわち、アメリカ統治時代における英語教育によって全国規模に普及したとされています。
フィリピン語(フィリピノ語)の誕生
現在では「フィリピン語(Filipino language)」と憲法に規定されているフィリピンの国語ですが、そう呼ばれ始めたのはそれほど昔のことではありません。
ここでは、ちょっとその道のりを振り返ってみますね。
地域ごとに独自の言語があるフィリピンで、時代を見据えた全国的に通じる国語制定の動きが始まったのは1930年代のこと。
その国語の母体として選ばれたのが、古くはスペイン統治時代から政治、経済、文化など各分野の中心地であったマニラ周辺で使われていた「タガログ語」でした。
後に「ピリピノ語(Pilipino)」と呼ばれるこの国語は、タガログ語をベースに他言語の単語を取り入れるなど整理されながら発展。1987年の新憲法ではタガログ語になかった8文字「F・C・J・Ñ・Q・V・X・Z」が取り込まれ、現在の「フィリピン語(Filipino)」に変更されます。
なるほど、道理で人によってフィリピン語(フィリピノ語)、ピリピノ語、タガログ語と言い方が違うわけですね。
実体はタガログ語でありながら「フィリピン語」としたのは、タガログ語以外の言語を母語にする人たちへの政治的配慮からです。とりわけ、タガログ語と同程度の話者数を持つと言われるセブアノ語地域での反感の声は大きかったそうです。
国語制定への道のりはどの国でも平坦ではないですよね。
タガログ語とは?
フィリピン語の基礎となったタガログ語はオーストロネシア語族に分類され、マニラ首都圏をはじめ、ルソン島中部・南部、ミンドロ島などで使われている言葉です。
タガログ語を母語とする人は、フィリピンの人口の約4分の1にあたる2200万人ほどいるそうです。
セブアノ語(ビサヤ語)とは?
セブアノ語はフィリピン中部・ビサヤ諸島にあるセブ島周辺、ミンダナオ島の一部で話されている言葉。セブアノ語を母語にする人はタガログ語の次に多いと言われています。
セブはビーチリゾート観光地として、とても人気の高い場所ですね。
フィリピンの英語
フィリピン人は、アジア諸国の中では際立って英語に堪能な国民であることで知られていますね。もちろん、個人の英語レベルは教育や地域よって差がありますが、英語はフィリピンの公用語になっており、基本的にはどこでも英語でコミュニケーションができます。
フィリピンで英語を学ぶ語学留学やオンライン英会話、英語のコールセンターは有名ですね。
また、多くのフィリピン人がその英語力を活かして海外で働いています。
フィリピン語の特徴と挨拶
さて、ここではフィリピン旅行で役立つ簡単なフィリピン語の挨拶や日常会話のフレーズを学んで見たいと思います。フィリピンでは英語が通じますが、フィリピン語が話せればより親近感が増すこと間違いなしです!
フィリピン語の発音は日本人にとってそれほど難しくはありません。アクセントに気をつければローマ字読みの発音でもかなり通じます。アクセントは通常、一番最後の音節か最後から2番めの音節です。
なお、フィリピン語の文法の特徴は、述語が文頭にくることです。主語はそのあとに続きます。
こんにちは(昼前後)
Magandang tanghali po
マガンダン タンハーリ ポッ
こんにちは(昼過ぎから夕方まで)
Magandang hapon po
マガンダン ハーポン ポッ
おはよう
Magandang umaga po
マガンダン ウマガ ポッ
こんばんは
magandan gabi po
マガンダン ガビ ポッ
ありがとう
Salamat po
サラーマット ポッ
どうもありがとうごさいます
Maraming saramat po
マラーミン サラーマット ポッ
どういたしまして
Wala pong anuman
ワラン ポン アヌマン
気にしないで下さい
Hindi na po bale
ヒンディ ナ ポ バーレ
はじめまして、ごきげんいかがですか?
Kumusta po kayo?
クムスタ ポ カヨ
ごめんなさい
Sori ho
ソーリ ホ
Pasensiya na kayo
パセーンシャ ナ カヨ
おやすみ
Good night
さようなら
Paalam sige
愛してる
Mahal kita
マハル キタ
はい
oo、 opo、oho
オオ、オポ、オホ
いいえ
hindi po、hindi ho
ヒンディ ポ、ヒンディ ホ
いいですよ、わかりました
Sige
シィーゲ
フィリピノ語の勉強
フィリピノ語の教材は、白水社のニューエクスプレスシリーズ「フィリピノ語(山下美知子 著)」や「大学のフィリピノ語」などがあります。
また、ウェブサイトでは東京外国語大学言語モジュール「フィリピノ語」が参考になります。
http://www.coelang.tufs.ac.jp/mt/tl/
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