成田と言えば日本の空の玄関口である成田国際空港が有名ですね。
その成田の中心地「成田駅」は空港から電車で約10分。徒歩圏内に「成田山新勝寺」があり、多くの外国人観光客も訪れる空港から最も近い人気の観光スポットでもあります。
駅から成田山新勝寺までの約800メートルの表参道は、お土産屋さんや民芸品店などの商店、旅館、そしてお食事処が途切れることなく軒を連ね、参拝客と観光客で賑わいをみせます。
遠くに成田山大本堂と三重塔を望みながら坂道を下ると、成田山総門にかけて建つ純日本風の木造建築に目を奪われます。情緒と霊場の重みを感じさせる伝統のある風景です。
成田表参道は食べ歩きも楽しい歴史色豊かな参道です。今回は、その成田山門前町でも特に目立つうなぎ屋の一つ「川豊本店」にスポットを当ててみたいと思います。
Contents
成田山新勝寺 表参道にあるうなぎの老舗「川豊本店」
表参道と川豊本店の歴史ある建物
JR成田駅、京成成田参道口から成田山新勝寺につづく表参道を歩くこと約10分、なだらかな坂の途中に老舗のうなぎ屋「川豊本店」が見えてきます。
成田門前町には歴史のあるうなぎ屋が少なくありません。中でも川豊本店の店構えは特に見応えがあります。大正6年(1907年)に建てられた3階建て純日本建築の店舗は、手入れがよく行き届いており古き良き時代の成田を彷彿させます。
新鮮が命!店頭でウナギをさばく
店頭に一歩近づくと目に飛び込んでくるのは、イチョウの大木から切り出したという一枚板の巨大なまな板。職人さんが一心不乱にウナギをさばいています。
熟練した職人さんが一匹一匹、丁寧にしかも手際よく活ウナギをさばくパフォーマンスは圧巻の一言。多くの観光客が目を丸めて見入る川豊ならではの名物風景です。
店頭でさばかれたウナギは、オープンキッチン形式の厨房ですぐに調理。参道からもウナギを焼いている様子をうかがい知ることができます。
蒲焼きの色つやと特有の香ばしい甘さが食欲をそそりますね。
奥行きがあり落ち着いた雰囲気の店内
間口は狭いですが、店内に一歩足を踏み入れると意外に奥行きがあることに驚かされます。でんと構えた、太く大きな梁が時代を感じさせます。
1階はテーブル席の奥に座敷、そのさらに奥には庭があります。清潔で落ち着いた雰囲気です。2階は全座敷席になっています。
私が店を訪ねたのは開店間もない10時台。食事客も疎らでゆったりとした雰囲気の中でウナギをいただくことができました。
1階での食事は食券を先に買い求めます。昔から変わらないデザインの食券は味がありますね。
2階の座敷では食後の会計になります。
変わらない味!ふっくらとしなやかなウナギ
割きたて・蒸したて・焼きたて
さて、肝心のうなぎですが老舗の人気店はやはりいい仕事をしています!伝統を受け継いだ職人のなせる技ですね。
口の中でふわっととろけるやわらかさ。ふっくらとしたしなやかなウナギは、焼き具合も絶妙で、艶のある美しい飴色をしています。
まろやかで自然な甘さのたれは、しつこさを感じさせません。創業以来100年以上にわたって、蒲焼きがくぐる度に継ぎ足された川豊秘伝のたれです。
何よりもうれしいのは、一年中いつ訪れても変わらない美味しいうなぎが味わえること。
実は、川豊の看板の一つである店先でウナギをさばくことは実演だけではありません。新鮮さを徹底的に追求する川豊ならではの「割きたて・蒸したて・焼きたて」へのこだわりなのです。
一つ残念な点をあげるとすれば、私の大好物の肝焼きがないことでしょうか。
うなぎの値段
■特上うな重 4,100円(税込み)
■上うな重 3,100円(税込み)
■うな重 2,500円(税込み)
■きも吸 100円(税込み)
御飯の大盛りは150円増
クレジットカードは使用できません。
川豊本店データ アクセスと営業時間
本店の他に川豊別館,川豊西口館の3店舗があります。
住所
〒286-0027 千葉県成田市仲町386
電話:0476-22-2711
アクセス:JR成田線成田駅,京成電鉄京成成田駅 徒歩11分
営業時間
10:00~17:00(ラストオーダー)
定休日
月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日火曜日にスライド)
駐車場
なし
成田山表参道沿いにもいくつかコインパーキングがあります。表参道は、成田駅方面から成田山総門にかけて一方通行になっています。
川豊別館(20台),川豊西口館( 25台)は専用駐車場完備です。
予約
予約は受け付けていません。混雑時には店頭で整理券を配布。順番は川豊ウェブサイトトップページ、または携帯電話への着信サービスで確認ができます。
お土産と通信販売
対応しています。お土産は店頭で、通信販売は川豊ウェブサイトから申し込みができます。
川豊本店、別館限定クーポン
川豊本店、別館ブログから各店限定の肝吸いサービスクーポンが印刷できます。
なぜ成田でうなぎ?その由来と成田の概要・歴史
成田市の立地とうなぎ
成田市は東京から約60km、千葉県北部中央の下総台地に位置します。
面積は約214平方キロメートル、人口は約13万人。人口密度が低く、郊外に一歩足を踏み出すとのどかな田園風景と豊かな緑が広がります。
水源も豊富で北側には茨城県とを隔てる利根川が流れ、西側には利根川水系の湖沼で千葉県最大の「印旛沼」があります。その周辺には水路や湿地帯も多く、昔から天然うなぎや豊富な水産物に恵まれたと言います。
成田新勝寺の門前町とうなぎ
市中心部の成田駅周辺は成田山新勝寺の門前町として江戸時代から名前を売りました。歌舞伎役者「成田屋 市川團十郎」の人気と相まって庶民の間で成田詣が流行すると、観光の地としても人気を博したと言います。
江戸から成田山へは、成田街道に沿って2泊3日の旅でした。表参道の旅館や食事処は、参詣客の旅路で疲れた身体を癒やす場所として繁盛。地元でとれた栄養価の高いうなぎ料理が振る舞われたそうです。
成田山新勝寺
1,000年以上の歴史がある成田山新勝寺は真言宗智山派の大本山のひとつで、本尊は不動明王。東京の明治神宮に次いで全国第2位約309万人(2016年)の初詣参拝者数を誇る人気の高いお寺です。
新年の「初詣」、2月の「節分会豆まき」,「梅祭り」、春には「成田山公園の桜」,「成田太鼓祭」、夏の「成田祇園祭」、秋の「御利生祭」などの年中行事には毎年多くの参拝客で賑わいます。
成田屋 市川團十郎
歌舞伎役者の市川團十郎は代々成田不動尊と深い関係があります。
初代市川團十郎が成田山で子宝を祈願、待望の跡取りを授かったことが成田山お不動さまへの信仰の始まりだと言います。後に、不動明王をテーマにした歌舞伎が大当たりしたことによって「成田屋」の屋号を使うようになりました。
歌舞伎十八番を定めた七代目市川團十郎は信仰心が強く、額堂(1965年焼失)や自身の石像を奉納しました。
市川家に伝えられる「見得(みえ)」,「にらみ」は、まさにお不動さまの精神が宿っていると当時から絶賛されたそうです。
十二代目市川團十郎のご子息は、十一代目市川海老蔵。乳がんで闘病中の小林麻央さんの旦那さんです。
成田山表参道のうなぎ専門店とうなぎ情報
表参道には歴史のあるウナギ専門店が少なくありません。昔からお互いに切磋琢磨しながら成田山表参道に店を構え参拝者をもてなしてきました。
成田山総門そばの老舗「駿河屋」や「菊屋」もその一つ。駿河屋では川豊同様にうなぎをさばくパフォーマンスを見ることができます。
成田うなぎ祭り
毎年「夏の土用の丑の日」には、45日間にわたり101店舗が参加するスタンプラリー「成田うなぎ祭り」が開催されます。
- FEEL成田 成田市観光協会オフィシャルサイト
うなぎの効用
ウナギは高タンパクでビタミンA,Eが豊富。消化が良く、夏バテ予防に効果があるといわれています。
「夏の土用の丑の日」はうなぎの代名詞。うなぎを食べて夏バテを乗り切るという日本の伝統文化ですね。
成田駅周辺へ行ってみよう!
成田駅周辺の観光は、成田山新勝寺と表参道の散策で半日からまるまる1日十分に楽しむことができます。
成田国際空港フライトの前泊や後泊で成田市内のホテルを利用する時はもちろん、荷物の少ないときは途中下車をしてぶらりとするのも楽しいですよ!
私の学生時代、成田空港から外国に旅立つ時、両親によく車で送ってもらいました。早めに行くことが多く、成田山で旅の安全を祈願したあとに時間があれば「川豊」のうなぎで英気を養いました。
「暫くお別れだけど健康に気をつけて頑張ってね」などと、少し神妙になりながら会話をしていたことが今でも一番の成田の思い出になっています。
成田駅へのアクセス
車
東京から約60km、京葉道路と東関東自動車道を使って約1時間。
鉄道
JRなら東京駅から成田駅まで快速エアポートで約80分。
京成電鉄では京成上野駅から京成成田駅まで特急で同じく約80分。
北総電鉄を経由する成田スカイアクセス線の場合は、日本橋駅から成田湯川駅まで約1時間です。
成田駅前
JR成田駅前
成田山新勝寺本尊「不動明王」の分身と言われる樹齢700年の椎の木「不動の椎(ふどうのしい)」がJR成田駅参道口のシンボルです。
平成28年には駅前広場再開発工事が終了。新しいバスロータリーと駅前ビル「スカイタウン成田」が完成し、京成電鉄成田駅へのアクセスもスムースになりました。
西口には成田ニュータウンが広がっています。参道口に比べて観光客は疎ら、通勤通学の地元市民が多く見受けられます。
西口駅前は「成田Uシティホテル」があります。
京成成田駅
京成成田駅参道口前には「メルキュールホテル成田」、東口駅前には「アパホテル京成成田駅前」,「リッチモンドホテル成田」,「コンフォートホテル成田」など宿泊施設が充実しています。ほとんどのホテルは、成田国際空港まで無料シャトルバスを運行しているので便利ですね。
駅周辺には銀行,コンビニエンスストア,ドラッグストア,ラーメン屋,ファーストフード店など沢山のお店があります。
成田駅から表参道へ
成田駅から成田山新勝寺までは約800メートルの道のり。セットバックと電線の地中化によって、歩きやすく見栄えのする景観になりました。
通りの両側には、見ているだけでも楽しくなる「民芸品店」や「おみやげや」、成田名産の佃煮,漬け物などを売るお店が並んでいます。
和菓子屋がたくさんあるのも参道ならでは。やきたての「せんべい」や「まんじゅう」など食べ歩きも楽しみの一つですね。のんびりと楽しく散策できる通りになっています。
銀行も通りに合わせたシックな蔵造りです。おしゃれなレストランも沢山ありますよ。
表参道にある成田観光館
うなぎ「川豊本店」の向かいには、成田市の観光をPRする「成田観光館」があります。観光案内の他に、「成田祇園祭の山車」の展示や「成田詣」の歴史を紹介しているコーナーもあります。
イベント室では、外国人に日本の文化を紹介する「ティ-セレモニー(毎週木曜 10:30~12:00)」や「日本の香りをあなたに(毎月第3火曜日 10:00~12:00,13:00~15:00)」と題した琴,書道,着付け,茶道の体験イベントを実施しています。
英語,スペイン語,中国語,韓国語,タイ語のパンフレットも用意されているので、外国の友人を案内すれば喜ばれますね!
入場料は無料、入口にはベンチも設置してあるので休憩にはぴったりの場所です。
住所
〒286-0027 千葉県成田市仲町383-1
電話:0476-24-3232
入館料
無料
開館時間
9:00~12:00
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)
年末(12月29日~31日)
まちかどふれあい館
「まちかどふれあい館」でも外国人観光客向けに着物や浴衣の着付け体験を実施しています。
NPOホスピタリティ成田主催:水・木・金 9:30~14:30
成田空港周辺のショッピングと娯楽
国道408号線成田市土屋には「イオンモール成田」があります。
この一帯はロードサイド型の大型店が出店しショッピングエリアを形成しています。映画館,「スシロー」,「ドンキホーテ」,「ユニクロ」などがあり、家族連れやカップルでも一日中楽しむことができます。
あじさい祭りの「東勝寺宗吾霊堂」
成田・公津村の義民「佐倉宗吾」を祀っている「東勝寺宗吾霊堂」も多くの参拝者が訪れるお寺の一つです。
境内には成田市の花「あじさい」が7,000株植えられており、毎年6月には「あじさい祭り」が開催され色鮮やかな紫陽花の花が楽しめます。
同じ464号線にある「い志ばし」は成田で有名なうなぎ屋さんの一つです。
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