前回の記事では、ソウル市内に2つあるネスコ世界文化遺産の一つ「宗廟(そうびょう)」を話題に取り上げました。今回は、もう一つの世界文化遺産「昌徳宮(しょうとくきゅう)」にスポットを当ててみたいと思います。
「昌徳宮(しょうとくきゅう)」は「宗廟(そうびょう)」から徒歩で約10分。宗廟が朝鮮王朝の王様の魂を祭る霊廟であるのに対し、昌徳宮は宮殿遺跡です。
また、「昌徳宮」から地下鉄で一駅の場所にあるソウル五大宮の一つ「景福宮(けいふくきゅう)」についてもレポートしたいと思います。
Contents
ソウルのユネスコ世界遺産「昌徳宮(しょうとくきゅう,チャンドックン)」の場所とアクセス
「昌徳宮」の最寄り駅は地下鉄3号線の「安国駅」、3番出口から徒歩5分です。宗廟とは道を挟んで隣り合っていますが入場口の位置関係から、両遺跡間の移動は徒歩で10分程度かかります。
一方の「景福宮」は、同じく地下鉄3号線「景福宮駅」のすぐそばにあります。
「昌徳宮」の営業時間と観覧料金
注意したいのは昌徳宮には「一般観覧(宮殿)」と「後苑(秘苑)」の2つのエリアがあることです。「一般観覧エリア(宮殿)」は自由観覧、「後苑(秘苑)エリア」は宗廟と同じシステムで専属ガイドと一緒に見学する時間制になっています。
営業時間
「昌徳宮」の営業時間は、時期によって変わります。なお、最終入場は閉場の1時間前までです。
期間 | 営業時間 |
---|---|
2~5月,9~10月 | 9:00~18:00 |
6~8月 | 9:00~18:30 |
11~1月 | 9:00~17:30 |
定休日:月曜日(月曜日が祝祭日の場合は翌日が定休日)
観覧料金
■一般観覧(宮殿)エリア
料金 | 年齢 | |
---|---|---|
大人 | 3,000ウォン | 19~64才 |
ユース | 1,500ウォン | 7~18才 |
シニア | 無料 | 65才以上 |
子供 | 無料 | 6才以下 |
※韓服(チマチョゴリ)を着ていると無料
※月末水曜日「文化の日」は無料
「一般観覧エリア」の日本語ガイド
「一般観覧エリア」では日本語ガイドの無料サービスがあります。時間は11:00からで所要時間は約1時間。
■後苑(秘苑)エリア
料金 | 年齢 | |
---|---|---|
大人 | 5,000ウォン | 19~64才 |
ユース | 2,500ウォン | 7~18才 |
シニア | 5,000 | 65才以上 |
子供 | 無料 | 7才以下 |
後苑エリアは昌徳宮ガイドと一緒に観覧します。自由行動はできません。また、各回に参加人数制限を設けているのでご注意下さい。
参加人数は、各回に付き100人限定(インターネット予約50枚と当日券50枚)。詳しくは「昌徳宮」ウェブサイトを参照して下さい。
後苑のガイド開始時間
日本語ガイド:13:30
英語ガイド:10:30,11:30,14:30,15:30(2~11月)
所要時間:90分
ユネスコ世界文化遺産「昌徳宮」の概要と見所
「昌徳宮」は太宗5年(1405年)に建設された朝鮮王朝時代の宮殿。正宮である景福宮の離宮として建築されました。
後に文禄(ぶんろく)の役で景福宮が焼失すると、「昌徳宮」は1610年から258年間にわたって正宮として使われ、王が居住し政務が行われたそうです。
昌徳宮の特徴の一つに、朝鮮王朝時代の伝統建築と広大な敷地にある豊かな自然との調和が挙げられます。後苑(秘苑)エリアの庭園美は、韓国伝統庭園として高く評価されています。
1997年には宗廟につづいて(1995年登録)ソウル市内2つ目となるユネスコ世界文化遺産に登録されました。
韓国宮殿最古の門と橋 「敦化門」と「錦川橋」
昌徳宮には韓国宮殿最古の門と石橋があることでも知られています。
宮殿最古の門と言われる「敦化門(トンファムン)」は、太宗12年(1412)の建設。文禄の役で焼失後、1608年に再建されています。
敦化門をくぐり抜けると韓国最古の橋といわれる「錦川橋(クムチョンギョ)」が見えてきます。橋を渡ったところ見えるのは「進善門」です。
昌徳宮の正殿「仁政殿(インジョンジョン)」
「仁政殿(インジョンジョン)」は昌徳宮の正殿。太宗5年(1405年)に昌徳宮の建築と同時に築かれました。現在の仁政殿は1804年の補修によって再建された建物です。
「仁政殿」は、朝廷の各種儀式や重要行事を行い、外国使節との接見場所だったそうです。宮殿内には当時の玉座があります。
李方子妃が暮らした「楽善斎」
「昌徳宮」敷地内には日本の皇族梨本宮家の長女として生まれ、大韓帝国最後の皇太子・李垠に嫁いだ李方子(まさこ)妃が韓国での居とした「楽善斎」があります。
李方子妃は戦後、韓国に帰化し日韓親善と韓国の障害児教育に尽力した人物です。
後苑(秘苑)エリア
後苑(秘園)は王の休息の場として使用された庭園。韓国を代表する伝統庭園で自然や地形を生かしながら花や樹木を植え、池と建物などを緻密に配置した庭園です。韓国の人気宮廷ドラマの一つ「宮廷女官チャングムの誓い」の撮影にも使われた場所です。
所要時間
一般観覧(宮殿)エリアの所要時間は約60分。後苑(秘苑)エリアは約90分です。
景福宮(けいふくきゅう,キョンボックン)の場所とアクセス
「景福宮」は、昌徳宮の西側1.5km、徒歩で約20分の場所にあるソウル市内の5大王宮の一つです。写真は、2010年に再建された景福宮正門の「光化門(クァンファムン)」。
最寄り駅
最寄り駅は、地下鉄3号線「景福宮(キョンボックン)駅」、5番出口からすぐの場所にあります。
景福宮正門の「光化門」前には、長さ557メートル、幅34メートルの巨大な光化門広場が広がります。
景福宮の営業時間と観覧料金
景福宮の営業時間も時期によって細かく終了時間が分かれているのでご注意下さい。
営業時間
期間 | 営業時間 |
---|---|
1~2月 | 9:00~17:00 |
3~5月 | 9:00~18:00 |
6~8月 | 9:00~18:30 |
9~10月 | 9:00~18:00 |
11~12月 | 9:00~17:00 |
定休日:火曜日
観覧料金
料金 | 年齢 | |
---|---|---|
大人 | 3,000ウォン | 19~64才 |
ユース | 1,500ウォン | 7~18才 |
シニア | 無料 | 65才以上 |
子供 | 無料 | 6才以下 |
※韓服(チマチョゴリ)を着ていると無料
日本語無料ガイドツアー
景福宮では、無料の日本語無料ガイドツアーを実施しています。
- 時間:10:00,12:30,14:30
- 場所:興礼門の中の景福宮案内室前
- 所要時間:1時間~1時間30分
景福宮の概要と見所
ソウル市内の5大王宮(景福宮,昌徳宮,昌慶宮,徳寿宮,慶熙宮)の中で最も規模が大きいのがこの「景福宮」です。敷地面積は約42万平方メートル、1395年に朝鮮王朝が初めて建てた宮廷でもあります。
景福宮の正殿「勤政殿」
上の写真は、国宝223号に指定されている景福宮の正殿「勤政殿」。1395年に築かれた建物は文禄の役で焼失、現在の勤政殿は1867年に再建された建物です。
「勤政殿」内部には玉座が保存されています。
守門将交代儀式と光化門守衛儀式
景福宮正門の「光化門」と「興礼門」前では、当時の守門軍を再現した宮中文化実演があります。
光化門前で行われる「光化門守衛儀式」は、毎日(火曜日を除く)11:00と13:00から10分間、興礼門前の広場で行われる「守門将交代儀式」は、毎日(火曜日を除く)10:00と14:00から20分間行われます。
開催時間に合わせて宮殿の見学スケジュールを組むことをおすすめします。
門の前で直立不動している守衛は蝋人形ではありません、生身の人間です。まるで動きがないので知らない人が見たら人形と思うかもしれませんね。
守門将交代儀式が行われる興礼門前の広場では、韓服を着て記念撮影をする韓国人や外国人があちらこちらでみられました。
- 守門将交代儀式:10:00,14:00(20分間)
- 光化門守衛儀式 :11:00,13:00(10分間)
- 守門軍公開訓練:9:35,13:35(15分間)
休日:火曜日(雨天や降雪時など気候によってプログラムの変更があります。)
参考:visit soul
korea cultural heritage foundation
所要時間
観覧所要時間は、1時間~2時間位です。
「景福宮(けいふくきゅう)」英語
韓国文化財庁「景福宮(キョンボックン)」
「昌徳宮」と「景福宮」の観覧を終えて
「昌徳宮」,「景福宮」ともに地下鉄3号線の駅すぐそばにあり、ソウル中心地からのアクセスはとても便利です。
両遺跡を丁寧に観て回るとまるまる1日かかるのではないかと思うくらいの広さがありますが、駆け足で見学すれば半日あれば十分に余裕のあるコースだと思います。
景福宮,昌徳宮(後苑を含む),昌慶宮,徳寿宮,宗廟では、全ての施設の観覧が可能な統合観覧券(10,000ウォン)も販売されています(有効期限3ヶ月)。
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